大分建設新聞

インタビュー

横山雄吉さん(西日本建設業保証大分支店長)

2010年04月27日
 同社の業務である前払金保証制度は、公共工事にとって、また建設業者にとってなくてはならない身近な制度だ。横山支店長は「公共工事が削減される中、せめて建設企業の資金繰りは支援すべきだ」と、同制度をはじめ、中間前払金制度などの啓発、利用促進に力を入れている。  今、最重要課題として取り組んでいるのが「公的な民間団体への前払金保証制度の利用促進。確かに公共事業は削減されるが、医療や介護、子育てなどに関する民間工事への補助は、これから4年間、高水準で推移する見込みだと聞いている。それらを大きく公共事業であるととらえれば、工事が極端に削減されるわけではない。〝コンクリートから人へ〟という新政権のスローガンだが、人への補助金を経由してまたコンクリートに戻ってくるようなものだ」と言う。  ただ「一般に民間工事は、工事代金の支払いが完成後一括払いされる場合が多く、前払金が支出される公共工事と比べると支払い条件が厳しい。公共工事で使われている前払金保証制度が民間工事には適用されないため、工事代金を前払いすることによるリスクが担保されないことが一因となっている」。  しかし、国や県、市町村などの公的団体から補助金を受けて工事を発注する民間団体(営利法人を除く)は、同制度を利用することが可能。前払金保証制度は、工事代金のリスクを一掃する有益な制度だ、と言う。  「前払金保証制度を活用すれば、発注者である公的な民間団体は、安心して前払金を支出することができ、万一の時は保証会社が損失を補てんする。制度上、発注者側の負担は全くない。一方、建設業者にとっても、資金繰りが楽になるという大きなメリットがある」。  しかしながら、県の土木建築部以外の農林水産や社会福祉関係の公的な団体ですら、前払金保証制度の認知度は低いという。横山支店長によると、同社の存在や事業内容は一般には理解されづらいらしい。そこであらゆる発注者を回り、制度の理解促進に奔走している。  さらに金融機関との連携も視野に入れている。「仮に公的な民間団体に前払金相当の金額を融資する場合、前払金保証があれば、保証付きの融資同様に金融機関のリスクがなくなる。こうして保証会社を中心に、補助金を出す行政、公的な民間団体、金融機関の4者が連携して金融を円滑化することは、社会的要請にもかない、建設業界のためにもなる、という発想だ。これは同社でも、大分だけの取り組みだ。成功させて〝大分モデル〟として全国に発信したい」と結んだ。




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