大分建設新聞

インタビュー

次森久雄さん(県東部振興局長)

2010年05月11日
 振興局は7年ぶり2度目の勤務。県職員になって以来ずっと事務畑を歩んできたという。「事業費が全体として落ちてきているのが気がかり」と事務方らしい第一声。「22年度の予算は21年度比で8割ほどの水準に縮小した。23年度がどうなるかが今から心配。管内の市町村からの要望はあるのにそれに応えられないのはつらいところ」と地域のインフラ整備や既存施設の長寿命化対策が無事できるかどうか気にかける。  地域振興については、「管内は、農林水産業が中心なので農水産資源の掘り起こしをしたい。これまで流通ルートに乗らなかった産品でも、うまく加工して、付加価値をつけ、珍しい食材として観光振興に結びつけたい」と抱負。「国東市の『銀たちの郷』なども土日はにぎわっている。ところが、大分、別府の人たちは空港までは来るがそこから先には足を延ばそうとしない。四国の八十八ヵ所巡りのように人を惹きつける産品のある地域にできればと思っている」と意気込む。  振興局の大きな仕事の一つが建設業者の農業参入促進だ。「建設業界は、もう合理化、スリム化の余地がないところまできている。生産性を上げるしかないが、現状では顧客満足度、従業員満足度を同時に追求して、本業の経営を見直すぐらいしかないと思われる。それならば、県が奨励する農業への参入はどうか。ほ場整備などの経験がある業者さんは、所有する重機を活用できる利点があるし、農業に入りやすいのではないか」と話し、農業への参入が会社の生き残りと農家の後継者不足解消の一石二鳥になると期待する。振興局には相談窓口も置かれている。  事務所がある国東市は次森さんにとって初めての地だが、県職員になって以来、初めての単身赴任でもある。介護などの都合で奥様は大分市の自宅に。「夜、店屋物で済ますことが多く、妻のありがた味が身にしみる」らしく、好きなメジャーリーグ中継も赴任直後で忙しくて、なかなか観ることができない。唯一の楽しみが朝の散歩で、歩きながら海から上る朝日を眺めることだそうだ。57歳。 略歴  昭和50年、県職員に。初任は日田事務所。企業局、宇佐両院地方振興局次長、職員研修所長などを経て、今年4月、現職。




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