大分建設新聞

インタビュー

一ノ瀬陸典さん(宇佐土木事務所長)

2010年05月20日
 これまで8つの土木事務所を歩いてきたが、宇佐は初めての勤務。まずは宇佐の印象を。「平野に広がる田園風景。国宝宇佐神宮。院内の石橋や安心院のグリーンツーリズムなど、豊かな自然と文化が調和した地域だと思います」。  宇佐地区は海岸整備、河川整備が進み、ほ場整備も含めて交通の便も悪くない。「インフラの熟度は進んでいる地域だと思う。その一方で、古い幹線道路が多く、歩道整備が十分でない道路が多い。特に通学路として使われる道路の歩道を整備しなくては」と、社会資本整備の必要性を強調した。  県職員となって30年。そのほとんどを道路畑で過ごしてきたが、思い出深い事業は平成5年、中津土木事務所での風倒木災害。豊後高田土木事務所の宮崎眞一所長とは同じ班で災害対策に当たった〝戦友〟なのだとか。  「災害状況の確認のため、ヘリコプターで空から現地を見たときの衝撃は忘れられません。山肌がえぐられて、無残な景色になっていました」と、当時の様子を生々しく語った。  事業費の減少にあえぐ建設業には理解を示す。「地域の安心・安全を支えてもらっている」として、災害時、真っ先に現場に駆けつけ、土砂の撤去や見回りをする建設業に感謝の気持ちを忘れない。中津での風倒木災害のときは、砂防ダムが倒木の落下を抑えていたことに「感動した」と言う。  「建設会社のコピーですが」と前置きした上で「〝地図に残る仕事〟に誇りを持ってほしい」と建設業にエールを送る。ご自身も、若いころ建設に携わった由布市挾間町の同尻橋(現挾間大橋)が完成したときに、その感を強くしたという。  大分市の自宅で奥さんと2人暮らし。娘2人は就職し、独立している。趣味は野球、釣り、バスケットボール、テニス、ボーリングと、多くのスポーツをこなす。ご本人は「広く浅く」と笑う。  大分トリニータの応援も熱心。ナビスコカップで優勝した時は、国立競技場に応援に行った。雲ひとつない秋空の下、スタンドが青く揺れたのが思い出なのだとか。今はJ1への復帰を誰よりも望んでいる。52歳。     略歴  熊本大学を卒業後、昭和55年、県職員に。別府土木、都市計画課課長補佐、日田土木次長、道路課企画調査班参事を経て、今年4月から現職。




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