大分建設新聞

インタビュー

白石さやかさん(コイシ)

2010年08月25日
 白石さやかさんは、丁張りマンで有名な(株)コイシの、3DレーザースキャナーやGPSによる転圧管理システムなど、国内でも最先端のシステムの開発を担当する同社の企画課係長。情報化施工は国交省でも積極的に推進している分野だが、土木施工の情報化って本当に可能なんですか?。  「品質管理の要求が高度化する中で、情報化は不可欠です。土木の現場はアナログの世界で職人さんがいっぱいいて、というイメージだけど、ミリ単位で管理したりと、非常に繊細な世界。しかも自然が相手。それをシステム化するのは並大抵ではない。技術面やプログラムの複雑さだけでなく使いやすさや費用を含め課題はたくさんある。現場を知らないプログラマーと、プログラムを知らない現場をつなぐのが私の仕事。奥深くてやりがいがあります」と白石さん。現場のニーズを把握し、調べるべきことは調べ、段取りを手配して、と行動力に優れた人だ。  奥深いのは仕事だけではない。コイシ自体奥深い、と白石さんはいう。ある縁でコイシに入社したが、その時に決め手になったのが、「コイシ塾」の存在。それは異業種から講師を招く社員研修で、このユニークな試みが気に入ったそうだ。「コイシ塾」から単なる事例やヒントだけでなく、奥深い何かをつかむのも大切なのだ、とは小原文男社長の教え。  そういう小原社長も奥深いそうだ。「社長は朝礼で、いつも一言社員に語るのですが、言葉だけでなくて真意がわかるのは3年かかるそうです」とのこと。そんな奥深い社長も白石さんの行動力を大いに評価しているそうだ。  コイシの技術は国内でも指折りで、白石さんは先日、北海道の学会で3Dレーザースキャナーについて、女性社員3人とともに発表した、というのも実にユニークだ。全国に市場が広がるが、県内でもシステムが普及するようにと、操作性や価格面の改善に取り組んでいる。「コイシがある、ということをもっと知ってほしい。こんなことができないか、と土木施工に関してなら何でも相談してください。何でも考えますよ」と、県内の建設業界へラブコールを送る。  取材を終えて帰る時、全社員一斉に立ち上がって、見送っていただきびっくり。「何よりも礼節を重んじてますから」と白石さん。すごい。
 


 
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