大分建設新聞

インタビュー

野上和之さん(三井造船)

2011年02月01日
 昨年12月、県から発注があった、佐賀関漁港広域漁港整備工事の現場代理人を務める野上さん。大分事業所の鉄構・物流事業本部鉄構運搬機工場の生産技術部課長補佐が正式な肩書き。やさしいパパそのもののお顔だが、その目は〝海洋構造物一直線〟。  父親の転勤で、中学3年の時に大分へ。大分工業高等専門学校に入学。部活動はラグビーで、文字通り熱い青春を送った。「高専に入って、土木を学ぶのがとても楽しかった」と野上さん。  卒業後、消波ブロックメーカーへ。約3年勤務したのち、三井造船へ。「港湾、漁港を含む、海洋構造物に関する仕事は、土木技術者として、後に残るものがつくれるということに魅力を感じています」と語る。  今回取り組んでいるのは、55㍍の浮桟橋2函。そこへ、合計18のいけすを設ける。「使い手にとって、使いやすいものをつくる。県の方針である関アジ・関サバのブランドにふさわしい施設にしよう、をモットーに、衛生管理強化のためのものづくりです。漁協さんのニーズを満たしたい」。使い勝手よく、愛される施設にするために、特別ないけすを製作、取付方法や衛生面の強化のための血水の処理経路確保、浮桟橋本体の水密性確保など、細やかな施工を検討しているとのこと。  記憶に残る仕事は、と聞くと「岡山の玉野事業所で製作した、兵庫県の家島漁港の仕事。現在、一体物の浮桟橋としては日本一の長さのはずです」と少し誇らしげ。平成13年に完成した延長130㍍の浮桟橋だ。  奥さんと、一女三男の6人家族。「子供さんも土木の仕事を目指したら?」と聞いてみた。「土木の仕事は一つの選択肢。いろいろな職業があるので、自分に合った職業に就いてもらいたい。3Kといわれている業界ですが、後に残るもの、人に喜ばれるものを作るという、非常に魅力ややりがいを感じる部分があり、自ら選べばそのときは喜んで背中を押します」と答えた。  休みは、子供さんが参加するサッカーチームの練習試合を見に行くのが楽しみ。  楽しそうなご家庭ですね、と投げかけると「うるさいだけですよ」と言いながらも、目じりが下がった。42歳。




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