大分建設新聞

インタビュー

三河明史さん(国東市長)、新消防署計画を見直し

2011年04月28日
 ―初当選の感想を。  三河 相手は二期目の現職。こちらは組織のない新人。大変うれしかったと同時に、支持してくれた市民の皆様の期待に添えてほっとした、というのが当選直後の感想。今は、厳しい財政状況の中、いかに市民の負託に応えていくべきか大きな責任を感じている。  ―国東市の現状を、どう理解していますか。  三河 全ての面で大変厳しいと認識している。過疎、高齢化、少子化で地方は衰退の一途をたどっている。ただ、これはどの地方も同じ。私は、悲観していない。国東には地域を何とかしたいと思っている人が沢山いる。美しい自然、豊富な文化財や文化、そして、おいしい食べ物もある。前を向いて努力するだけ。  ―「活力ある国東に」とのことですが、柱となるお考えを。  三河 地域の活力とは、「人が多く住み、人の交流が活発であること」と考えている。一人でも多くの方が住んでくれるように、また、訪れてくれるように取り組む。そのためには、職場の確保や産業振興が大切。国東には、隠れた文化財が点在しており、それを知ってもらうことも観光振興につながると思う。おいしい物も沢山ある。また、空港が近い地の利を活かして、飛行機を利用する企業であれば、関心を持ってもらえるのではないか。働く場所があれば、若い人も国東を住む場所として選んでくれると思う。県とも連携を取りながら、企業誘致に取り組む。観光にしても産業にしても、現場との連携を密にし、コツコツと情報発信することが重要。  ―防災については。  三河 現在国東町田深の海のそばにある国東消防署を、同じ場所に建て替える計画で既に設計書も出来上がっているが、安全性を考慮し他の場所を検討している。また東南海・南海地震が同時発生した場合、当市では2・5㍍の津波が到達すると予想されている。できるだけ高い場所に避難場所を設定し、5月中旬までには公表できるように現在見直し作業をしている。防災マップについても現行の避難場所に加え、新たに津波避難場所(標高を表示)や現行の防災マップ作成後に追加した土砂災害特別警戒区域等を含む防災マップを作成する。  ―建設業者へのメッセージをお願いします。  三河 建設業は、多くの雇用を維持し、原材料を使うことで地域経済への波及効果が大きい大事な産業。財政状況はたいへん厳しいが、市内の建設業者の方々には、特に健全に成長していただきたい。工事はできるだけ地元発注したいと考えており、そして、健全な入札を実施する。 ■略歴  昭和46年に同志社大学法学部を卒業、国鉄九州総局勤務を経て、49年に県職員に。東京事務所長、監査事務局長、東部振興局長などを歴任。平成20年3月、県を退職。今年3月の市長選で初当選。
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