大分建設新聞

インタビュー

井形徹さん(竹田ダム建設事務所長)

2011年05月27日
 竹田ダム建設事務所赴任は、2回目。1回目は、稲葉ダムの建設に本体工事担当班総括として携わり、堤体の定礎から打設完了までの2年間勤務した。その稲葉ダムは昨年完成し、今度は事務所長として玉来ダムの早期着工に全力をあげる。  竹田、特にダム事業には縁がある。まず、県職員になって最初に配属されたのが竹田土木事務所だった。その後、平成2年の大水害の時には、被災地に派遣され2ヵ月間作業にあたった。「その被災地の凄惨さや、被災者のつらさを目の当たりにしているだけに、ダム事業に対する地元の期待の大きさと、責任の重さを感じている」という。  事務所の目標は、「玉来ダムの早期建設」と明確だ。ただ、政府が掲げた「できるだけダムにたよらない治水」の方針で、事業は次の段階に進めずにいる。検証作業を行った県は、もともとの整備計画案でもある「ダム+河川改修」という方針を3月に国に報告しているが、それを検討する国の有識者会議開催のメドがたっていないという。東日本大震災の影響もあり先行きは不透明だが「ゴーサインが出たときにはすぐに動けるように、しっかり準備と心構えをしておくように職員にも伝えてある」と話す。震災で住民の防災意識が高まる今、地元の不安を一日でも早く取り除くために、早期着工を目指す。  年々広がる都市と地方の格差に、危機感を募らせている。「地域の安全を守るため、過疎化を防ぐため、ひいては現在のデフレ脱却のためにも公共事業は必要」と考える。地域の建設業に対しては、災害時や地域貢献の献身的な活動に敬意と感謝の言葉。「災害時や、鳥インフルエンザ発生のときもそうだったが、真っ先に駆けつけるのは他の産業より機動力のある建設業。今や建設業は〝危機管理業〟といえるのではないか。厳しい時代ではあるが、頑張ってもらいたい」と期待を寄せる。  趣味は、サイクリング、野球、バドミントンなどと活発。また、25年前に結成した「三重スイングファミリー」のバンドマスターも務めており、自身はトランペットを担当。三重町を中心に、地域のイベントなどに出演している。最近、ドラムス担当が仕事の都合でいなくなり、メンバー募集中とのこと。興味のある方は井形所長まで連絡を。 略歴  昭和49年に三重農業高校を卒業後、県職員に。県南方面を中心に様々な事業に技術職として携わる。中津土木事務所中津日田道路建設室長を経て、今年5月、現職。




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