大分建設新聞

インタビュー

梶原善人さん(千原電気工業所社長)

2011年07月01日
 春の叙勲で旭日双光章を受章された日田市の梶原善人さんに喜びの声を聞いた。 「叙勲は、自分一人の力で受けられるようなものではありません。組合の方々のおかげですから、まずは関係者に感謝したい」と支援者に感謝を述べる。これまで、日田の電気工事業協同組合で理事10年、理事長を23年務め、その間、県の電気工事業協同組合の理事長も8年間務めた。長年、組合の活動に中心となって関わってきた梶原さんならではの言葉。  その組合が年々力を失いつつあることを最も心配する。「10年ほど前には600社近くまで伸びた会員数(県内)が、今は500社にも満たない状況。非組合員が増えれば、価格競争の激化につながる。全員が組合に加入し、組合あっての企業と言えるようになるのが理想」と業界のあり方を語るが、他業種同様後継者不足などが原因で一人親方の会社が増え、組合離れが進んでいるのが現実。「後継者不足の解消は、自分の子でない従業員を後継者として育てるしかない。県内の大手ではもうその時代を迎えている。もう子供が家を継ぐ時代ではないんでしょう」と業界の行く末を占う。  後継者育成には技術力向上だけでなく安全対策も重要と話す。自身、若い頃に感電事故を起こした経験がある。「電気は目に見えないですから気をつけていても起こるんです。昔は絶縁手袋もなく、素手で工事をしていましたから」と昔話。「はしごに登って工事をしていた時に、車にはしごをすくわれて落下、腕を骨折したこともありました。今の時代は施工中より移動中の交通事故のほうが心配です」と平成16年から日田地区安全運転管理協議会の役員として交通死亡事故抑止の活動を続ける。  まだまだ元気な梶原さん。「これからも必要としてもらえるなら、組合のためにできる限りのことはしたい。これまでの経験や技術を後進に伝えておきたい」と意欲を示した。  休みの日は、下手の横好きというゴルフを楽しむ。年2回の組合の大会など、打ち上げで酒を酌み交わしながらの意見交換が組合運営に役立ったという。最後まで組合の話が絶えることはなかった。




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