大分建設新聞

インタビュー

瀬口三樹弘さん(九州建設コンサルタント)

2012年01月11日
 瀬口三樹弘さんは昨年、樹木医に認定された。土木コンサルタントの九州建設コンサルタント(株)(大分市曲)の環境調査部で多自然型川づくりや重要植物の移植などの業務を担当している。  土木コンサルタント会社から樹木医になる方は珍しいのでは、という問いかけに「県内では私が初めてと思いますが、全国大手の土木コンサルの間では珍しくないというか、むしろ常識となっています。河道樹木管理などの業務が増えていますから」という答え。昔は川岸に柳を植えて護岸の役目を持たせていたが、土木施設で護岸を築くようになって、柳が支障木となるケースが増えているかららしい。「河道の柳を伐採してもよいかどうかの判断や法面工事でも、木が生えてよいかどうかなどの判断に樹木医としての知識は役立ちます」と瀬口さん。  また、「小さな草木は自分でも管理できますが、巨木の移植など重機が必要なものは自分の手ではできませんから作業者に適切な指示をする必要があります。レッドデータブック掲載種など重要植物の管理は失敗が許されませんから」と話す顔は〝医師〟そのもの。  樹木医の資格取得には並々ならぬ努力をされたのではと思いきや「前の職場でも動植物の環境影響評価や植生調査などの業務に携わってきて、今も樹木管理などの仕事をしていますので、特に樹木医になるための対策もせず合格できたんですよ」と意外な返事。昨年末には県内でも数人しかいない一級ビオトープ管理士にも合格している。趣味と実益がかなった好例といえそうだ。  今後は、「樹木医の研修会などでさらに知識、技術力を向上させて業務の精度を高めたい」と言い、プライベートでも「県の生活環境企画課のシカ食害調査に参加したり、祖母傾山系のブナ・スズタケ群落の植生調査などの活動を通じて、少しでも『みどり』の大切さと素晴らしさを後世に伝えたい」と熱く語った。 【メモ】ビオトープ ドイツ語のbio(生物)とtope(場所)の造語で、多様な動植物が生息できるように復元された空間。ビオトープを持続するための管理技術者がビオトープ管理者。




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