阿部清治さん(ジェイテック社長)
2012年01月26日
「人ができないこと、人の持っていないものを一つ持て」をモットーに、平成18年1月に(株)ジェイテック(大分市三佐)を設立し各種非破壊検査や船舶検査、放射線検査業務を展開している阿部清治社長は、「これからは会社力をアップさせ、他社ができない仕事をして、世界に通用する会社を目指そう」と張り切る。
「お金になる仕事に就きたい」と、高校を卒業して、関西を中心に4年間に数多くの仕事を経験。転機は22歳の時。上場している検査会社の大分営業所社員募集枠に滑り込んだ。パソコンのソフトを組む技術を持った人が少なかった時代に、BASICプログラム(入札管理などソフトを組む技術)作成の技術を身につけていたのが功を奏した。
もっと稼ぎたいと3年で退社を決意したが、「辞めずに続けろ」と和歌山県有田市にある会社の工事管理見習いを勧められ、そこでメンテナンス技術を磨いた。29歳の時に帰郷し、(有)エス・エイ検査サービスを設立したのち、人柄を最優先にした社員採用で人材育成に力を入れた。今は全ての社員が資格保有者となるまでの体制が出来上がった。
設備投資に動き出した矢先、昨年3月11日の東日本大震災による、東京電力福島第一原子力発電所の事故があった。海外では、放射能汚染を恐れて日本からの輸入をストップする事態になった。そんな折、世界最大級の検査機関であるスイスのSGS社から、西日本地区での放射線検査業務を打診された。出来るかと問われ、瞬時に「出来ます」と答えた。そもそも阿部社長の辞書に『出来ない』は存在しないようだ。
「今だから言えるが、あの時は機器も揃っていない状態で自信は全く無かった。この仕事を取ろうと必死だっただけ」と明かした。外資との提携に刺激を受け、日本では2社しか保有していないデジタルX線機器の導入に踏み切った。今後は関東地区にも営業所を開設する予定という。
酒が強く、宴会ではウォッカの一気飲みをするほど。仕事以外の頼まれごとでも幅広い人脈を駆使して対応する。週末には家族と乗馬でリフレッシュ。46歳。