大分建設新聞

インタビュー

麻生 卓也さん(臼杵土木事務所長)

2012年05月22日
 「臼杵勤務は初めて。石仏や街並みにじかに触れて、歴史ある街を実感した。津久見は鉱工業の街というイメージ。それに海の幸・山の幸が豊富ないいところ。昨年はイルカ島が開業し、年間12万人もの観光客が訪れたと聞く。両市ともに、既存産業にプラス観光振興への意欲を感じる。土木事業に携わると者として、社会基盤整備でお手伝いしなければと思った」と管内を一巡しての感想。  「今は人工島を含め大分市の公園になっている田ノ浦海岸整備では、国道10号の拡幅事業と田ノ浦公園整備事業との合併事業で行い、当時の建設省、県、市の3者が何度も協議を重ね事業を進めた。一部では〝あんな海岸にお金をかけて”との批判もあったが、完成してみると多くの市民が海岸を利用しているのを見るにつけ土木技術者になって良かったと思った」と語る。  当面の課題を聞くと、即座に「まずは国道217号平岩松崎バイパスをしっかり整備する。現状はクランクで曲がっている上、間に踏切もある危ない道路。港から津久見ICに向かう道路として支障がある。まだ緒についたばかりで、これから用地交渉を進めていくが、企業用地が多いので企業と相談しながら着工に向けた準備をしていく。また、臼杵港と津久見港の港湾整備。半島部ではこれまで度々孤立したことがあるので、危険箇所解消と道路改良に取り組むほか、イルカ島に行く四浦日代線に今年から新規予算が付いた。臼杵市や津久見市と一緒に地域が元気になるような社会資本整備をしていきたい」と抱負。  職員には「当たり前のことは確実に処理を。そのため現場主義で、かつ県民本位の仕事をして欲しい。同時に土木事務所は地域防災センターの役割も持っているので、改めて危機管理意識をしっかりと持ち仕事にあたって欲しい」と注文。  「災害発生でまず動いてもらうのが建設業者。地元から無くなってしまっては困る。以前に比べ予算が減っているので、これまでのように、待ちの姿勢でなく、地元の人と一緒に〝今何が必要か〟と声を上げて欲しい。また、県民から見れば業者の方が一番近いところにいる。工事中に地元民への対応など丁寧にしてもらい、いざとなったら頼りになる存在であることもアピールし、イメージアップにも取り組んでほしい」と言う。  家族と一緒に過ごす時が一番楽しいそうだ。「娘が小さい頃、家族で見た宝塚公演が病みつきになり、3年ほど年間8回の公演全てに通ったこともある。現在、大分県出身は3人。今年も臼杵から生徒になった方がいますね」などとうれしそうに話す。由布市庄内町生まれの52歳。


昭和58年3月、九州大学工学部卒。同年県職員採用。佐伯土木事務所河港砂防課長、同次長、建設政策課企画調整監を経て、今年4月、現職。

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