大分建設新聞

インタビュー

吉武 勝広さん(吉武建設社長)

2012年05月28日
 九重町で土木工事業を営む(有)吉武建設社長の吉武勝広さん(56)は、「不景気で公共事業は減っているけど、考え方次第でほかにいくらでも商売のチャンスがある」と語る、前向きでユニークな発想の持ち主だ。  吉武さんは、サラリーマンになるより苦労してでも経営者になる道を選び、24歳で独立。それこそ裸一貫で従業員5人からスタートした。今では、年間売上高が1億円を超えるまでになった。事業が軌道に乗った平成7年当時、「ぜいたくな生活をするより、老後にゆとりのある生活がしたい」と考え、県道409号下恵良九重線沿いの龍門の滝から上流へ車で1分ほどの所に7000坪(2万3100平方㍍)の用地を開発。ここに2ヵ所の源泉を掘削し家族湯「良仲湯」を建てたほか、オートキャンプ場も設け設備の充実を図っている。  「良仲湯」の敷地内には大小のバンガローや完全かけ流しの温泉(家族湯3棟、露天の共同浴場1棟、さらに1棟を建設中)など、時間を見つけては設備充実を図ってきた。アルカリ性単純温泉で「肌に優しく気持ちがいい」と評判。温泉棟に近づくと、県内外から取り寄せたという背丈ほどもある大きな石が幾つも並び、吉武さんのこだわりを感じさせる。施設すべてが吉武さんが「〝打っ付け本番〟で作った手作り」というから驚く。低農薬のコメも作っていて、温泉棟で販売。福岡や東京などの利用客からの「おいしい」との口コミもあって、徐々に固定客が増えているそうだ。  隣接する竜門の滝は、夏は滝すべりや水遊びでにぎわう。吉武さんは6月2~3日に本州・四国・九州全域からハーレーダビッドソンなどのバイク約300台が集まるイベントや、ホタル鑑賞(同10日過ぎから)、秋にはワインの会も開くなど、都市部の人にも自然を満喫してもらうイベントを積極的に打ち出している。  吉武さんの夢は「本格的なピザの店を開く」ことだ。「時代に応じたことを考え、脱皮することが必要。事業に失敗したら今に戻るだけ。今は上を狙えるチャンス」と、まだまだ何かやってくれそうだ。  問い合せは良仲湯(℡0973〈76〉2026)まで。


「不景気は上を狙うチャンス」と話す吉武社長

フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP