大分建設新聞

インタビュー

工藤 利明さん(中部振興局長)

2012年06月05日
 中部振興局の管轄エリアは、大分市、由布市、臼杵市、津久見市。県内6振興局の中で最も広く、人口も県全体の約50%が集中している。「管内は広く、地形や環境なども様々。山間部から海岸部まで、それぞれの地域の特色に合った振興策を考えていきたい」と抱負。  特に、豊かな観光資源を生かしたい考えだ。「管内には、全国区の知名度を持つ由布院温泉がある。その近くの湯平地区や塚原地区も最近脚光を浴びており、新たな観光拠点になり得る。また、津久見市のイルカ島も多くの客が訪れ、地域振興に大きく寄与している」と話す。  そこで気になるのが、アクセス道路や防災対策だ。湯平や塚原では、地すべり対策などの治山事業を進めている。また、津久見市長目半島地区の集落孤立を防ぐためにも林道長目半島線の整備を着実に進めていきたい考えだ。道路整備では、農道大分中部2期地区もある。「この道路が完成すれば、大分市から豊後大野市大野町方面へのアクセスが格段に改善される」と効果が高い事業だ。  農業振興面では「担い手育成や新規就農者への支援はもちろん、企業の農業参入の受け入れもしっかりとやっていく。新しく参入する人たちの励みになるように、フォローもきちんとやらねばならない」。また、「臼杵市野津町などの、葉たばこ廃作農地の対策も重要。高糖度甘藷『甘太くん』などの栽培を引き続き奨励し、耕作放棄地を増やさないためにも、次の生産に結び付くようにやっていく」と意欲を見せる。  建設業界に対しては「これからはアセットマネジメントの時代。それには、建設業のみなさんがこれまでに蓄積してきた技術経験が必要だ。貴重な社会資本を守っていくんだという気概を持って取り組んでほしい」と期待を寄せる。  趣味は、山登りと渓流釣り。ひまを見つけては県内外の山に出かけ、自然とのふれ合いを楽しんでいる。


昭和53年、県採用。総務部財政課勤務が長く、予算編成などに携わってきた。前任の農林水産企画課長を経て、今年4月、現職。

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