大分建設新聞

インタビュー

和田 敏哉さん(豊後高田土木事務所長)

2012年06月15日
 豊後高田勤務は初めて。着任早々、管内を回った感じでは、いたる所に六郷満山文化の史跡があり、「昭和の町」は、今や全国のまちづくりのモデル的存在。「地元の方々の熱意を感じる。これから時間をかけて地域の勉強をしていきたい」と語った。  「防災面での桂川長期計画はもちろん、道路と都市計画を専門にやってきた自分としては、特に国道213号香々地~真玉バイパス事業を進めたい。県道新城山香線改良工事は、昭和の町から富貴寺、田染の荘、真木大堂、熊野摩崖仏、杵築に抜ける有力な観光道路になる。県内外の観光客誘致を側面から支援できればうれしい。特に大分県の発展のためには、県外からの交流人口増加が不可欠で、その基盤づくりが重要」と力説する。  「平成2年7月の竹田大水害の時は、家族ともども竹田にいて、床上浸水の被害者となった。約半年間、災害査定設計書を作り続け、1年間があっという間に感じた。また、9年の台風災害の際は、安心院の仮設橋と橋りょう工事の計画と実施も思い出深い事業だった」と振り返る。  近ごろは、幸か不幸か、大きな災害を経験していない若手技術者が増えていて、災害時のノウハウや段取りなどが分からない職員たちを、いかに指導していくかが重要な課題になりつつある。「常に自然災害に備えて、危機管理対応を指導していくつもり」と熱く話した。  国・県の財政事情は深刻だ。土木建築部予算も依然厳しい状況が続く。そうした中にあっても、防災対策や緊急時の対応など必要不可欠な事業は急がねばならない。その必要性をアピールして予算を確保するには、建設業界の協力が欠かせないという。  奥さんと次女を大分市の自宅に残し、単身赴任。夕食づくりにも慣れた。  趣味・特技は特にないのが悩みとか。仕事一筋の姿が見えた。


熊本大学環境建設工学科を卒業して、昭和58年、県職員に。三重土木事務所を振り出しに、中津土木事務所次長、道路課参事を経て、今年4月、現職。52歳。

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