大分建設新聞

インタビュー

又見 裕貴さん(又見建設専務)

2012年11月27日
 品質、コスト、安全などの面で、質の高い施工確保のため、技能労働者、とりわけ職長の役割が重要視されている。そうした中、建築を含む土木工事の施工一式を請け負い、中でも型枠大工関係で長い経験を持つ佐伯市東町の又見建設(有)(又見利郎社長)は、技能者養成に熱心だ。国は、上級職長として元請の計画・管理業務に参画し、補佐することができる下請の技能者を「登録基幹技能者」と認定し、加点評価することにした。利郎社長の息子でもある同社の又見裕貴専務(33)は、昨年4月、大工工事業でこの登録基幹技能者の認定を受けた。  裕貴専務は、「認定技能者を雇用している企業に対しては、経営事項審査や一般競争入札総合評価の加点対象になる。私どものような下請中心の多くの会社で認定取得の動きが始まっています」と、制度について語る。  高校の土木科を卒業して、大分市の建設会社に入社したが、3年ほどで倒産し、しばらくは福岡で別の仕事に就いていた。「でも建設業の仕事が忘れられず、19年に親父の許しをもらって、佐伯に戻りこの会社に入りました。親父から品質、コスト、安全など物づくりの基本をたたき込まれました」。  裕貴専務が、身に染みるような感動を覚えたのは、谷川建設工業が施工した東九州自動車道(佐伯~蒲江間)の番匠川橋下部工(P7)工事の際に、舟の舳先を思わせるような三次元的構造物の橋脚型枠を作ったとき。難しい作業の連続だったが、試行錯誤を繰り返し、完成させた。「苦労した分思い出に残る現場でした」と、笑顔で振り返った。  登録技能者の資格取得は、鹿児島や長崎などの他県では資格のない会社は仕事を取り難いと聞き挑戦しようと思った。「大分県内の各発注機関には、あまり認識されてないようなのですが、優秀な技能者の証なのでもっと重要視してほしいですね」と望む。  「近ごろは請負の単価が下がっていて、他社とは技術力で勝負するしかほかに、生き残る道がないと思っています。これまでは、いつも親父の背中を見るばかりだったけど、これからは親父に頼るばかりでなく、一日も早く親父を追い越すような良い仕事ができるようになりたい。そして、大手ゼネコンなどに信頼される良い仕事を任せてもらえるような会社にしたい」。優秀な技能者として定評のある、利郎社長に、追いつき、追い越し、そして次代を担う若い技能者を育成したいという、大きな夢がある。


会社の社長でもある父・利郎さんを目標に仕事に励む又見さん

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