佐藤 由一さん(ドゥーハビット社長)
2013年01月10日
大分市松岡に住宅型有料老人ホーム「ナースケアホーム松岡」を建設している(株)ドゥーハビット社長で、同ホームの施設長でもある佐藤由一さん(35)は、看護師の肩書きを持つ異色の社長だ。
大分市宮崎の市医師会看護専門学校を卒業。同校に通っていた時から、ずっと「独立したい」という気持ちを抱き続けていた佐藤さんは、卒業後に勤めた保養院で、精神疾患病棟や老人病棟で看護助手として働きながら准看護士、正看護師の資格を取得。その後の病院勤務では、手術看護認定看護師主任として臨床から管理まで業務全般に携わっていたという。
独立したい。その強い気持ちを知った友人が背中を押してくれた。それが1年前。それをきっかけに「老人ホームを基点にして訪問看護や介護の事業をする」という計画を前に進めた。
まず、整形外科医の奥さんを説得するところから始めた。「やりがいのある看護や介護をするため、チャレンジしたい」と、思いをぶつけた。最初は「今のままでいいじゃないの」と反対していた奥さんも、その意志の強さに最後は折れた。資金面もクリアでき、やっと「将来は独立」との夢の扉を開くことができた。
昨今の老人ホーム経営は供給過多状態。差別化を図るためにも、自分の強みを最大限生かして、医師と看護師が経営する老人ホームを建て、医療や看護・介護が必要な要介護度の高い人でも入れる住宅型の老人ホームを造ることにした。ホーム内に診療所を設け、デイサービスも含め看護ケアができる住宅型老人ホームとして対応していく。
念願だった、訪問看護や介護のほか訪問診療も計画して、他にない特色を出している。職員は10~15人体制でスタートし、40室(1人部屋32室、2人部屋8室)のホームの入居状況に合わせ看護師・介護士各10人まで増やしたい考えだ。
「看護師が独立することは、現実には難しいと分かっていたが、ずっと可能性を探っていた。やるからには、これまで聞いたことがないような施設を造りたい。5月のオープン予定だが、医師・看護師常駐の老人ホームでは、いざという時に在宅で医療行為もできるので、将来の健康に不安がある人でも、安心してもらいたい」と意欲満々、抱負を語った。
看護師の資格を持つ佐藤社長
看護師の資格を持つ佐藤社長