大分建設新聞

インタビュー

松本 正二郎さん(松本商店社長)

2014年04月24日
 日出町大神深江地区の「大神特別攻撃隊訓練基地」跡に、人間魚雷「回天」の実物大模型が設置された。模型を製作したのは、鉄、アルミ合金などの鋼材販売、製作、加工をする(株)松本商店(福岡県久留米市)。松本正二郎さんはその社長。同町藤原の大分営業所では、大手半導体関連企業に、製造装置や産業用ロボット、物流関連機器の部品材料を加工、販売している。  営業所がある縁で、工藤義見町長から、野田富夫大分営業所長に模型製作の協力依頼があり、松本社長が「出店の際は、工藤町長に世話になったので、恩返しできれば」と快諾。費用もほとんど同社の寄付という形で製作した。  いざ、製作しようと準備を始めると、当時の図面がなく、資料や写真からでしか情報を得られなかった。そこで、実際に山口県周南市に展示されている「回天」の模型を見学し、寸法を細部まで測定。なるべく本物に近づけるよう試行錯誤を重ね、プロペラや計器類は全て手作りにした。模型本体表面には、SPHC(熱間圧延軟鋼板)という高温状態で圧延した材料を使っており、製作工程短縮、コスト低減を図っている。完成した模型に動力をつければ動くのではないか、というところまで本物に近づけている。  模型は全長14・75㍍、直径1㍍、重量約4㌧。久留米市から、大型トレーラーで同町まで運んだ。模型の横には顕彰碑と土台が設置されており、同社と付き合いのある平倉建設(株)(大分市、平倉二三雄社長)が施工した。  松本社長は、父親(現会長)が創業した同社を継いだ。他社での修行には出ず、何もわからないところから営業マンとしてスタートし、下積みを重ねた。「大事なのは、人とのつながり。お客様のニーズを的確にとらえ、即対応で供給したい」と話す。  建設業には、なじみの少ない金属だが、モノ作りという広い分野で見れば、材質は異なっても関わりの深い業種であることに変わりはない。


日出町から感謝状を受ける松本社長

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