大分建設新聞

インタビュー

松本 泰祐さん(社会福祉法人財団天心堂理事長)

2014年04月25日
 天心堂は、大分市中戸次のコカ・コーラ工場跡地に、ケアモール天心堂の建設を進めている。4月8日、1期工事で有料老人ホームの建築を始めた。  松本さんがケアモールの建設構想を打ち出した背景には、少子高齢化の問題がある。保健医療や福祉の立場から、団塊の世代が75歳以上になる2025(平成37)年までに、地域に提供する医療・介護システムをどう構築していくかを真剣に考えてのことだという。  「これからは、従来の治す医療から、予防し、治し、自立を支える医療へと進めていくことが大切になる」と言い、今後は在宅医療と介護に力を入れ、リハビリを中心に自立を支えながら、健康寿命をいかに長くするかという視点に立った取り組みから始めたいと考えている。  そのために、まず周囲の農地を利用して、リハビリ農園を作りたいと夢の第一歩を語る。建設地の近くには農地がたくさんあり、地域の農家さんも高齢化が進んでいる。健康寿命を延ばすためには、可能な限り体を動かすことが大事で、農家さんの応援を得ながら、在宅療養支援診療所や老健施設の利用者、病院でリハビリを始めた人たちに作業をしてもらい、できればいろんな作物を作って自給自足ができるまでにしたいと言う。  もう一つは、地域の起業家などの協力を得ながらコンピューターやインターネット技術を使ったICT(遠隔医療、疾病管理)のシステムをつくりあげること。ICTシステムは、24時間の巡回訪問看護と介護の両面を構築する必要があり、看護師やヘルパーさんを24時間3交代勤務体制にすることや、でき上がったシステムを高齢者らが自宅でうまく利用できるかなど、課題山積のようだ。  さらに、できるだけエコを取り入れながら、医療や福祉だけでなく商業施設なども備えた『スマートタウンへつぎ』を造るという、大きな夢も抱いている。  松本さんは「この地域が生き生きと元気であってほしい。今後は、所得格差によって十分な医療や介護が受けられない人が出てくると思う。生活が苦しい人でも安心して暮らせる、そんな場所を提供できるよう、一日も早くケアモールの最終構想を完成させたい。課題解決に向け、600人の職員とともに夢の実現に向けて挑戦し、次の世代に引き継いでいきたい」と抱負を語る。


スマートタウンの夢を語る松本理事長

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