進 秀人さん(県土木建築部長)
2014年05月20日
「県民目線」と「現場主義」がモットーだ。部長就任後、部の所属長などにはチームワークの大切さを訴えた。「個の力には限界がある。難しい問題でも、部署、土木事務所、部全体で取り組めば大きな力を発揮することができる」と話す。また、「住民の方や建設業界、職員同士の信頼関係を築いていれば、危機管理の面でもスピード感を持って対応できる」とも。
気になるのはやはり、県民の命・財産を守る防災・減災対策だ。24年の九州北部豪雨の災害復旧関連や、南海トラフ巨大地震・津波対策に力を入れる。地震・津波対策については、「地域の意見をよく聞きながらハード・ソフトの両面から対策を進める」考えで、建設事業が本格化しつつある竹田市の玉来ダムは「地形・地質的に設計が難しい面もあるが、できるだけ早く本体工事に着手できるように進めていきたい」と意欲を見せる。
今年度は、東九州道佐伯~蒲江間、中津日田道路の中津三光道路など、広域ネットワーク網の重要な路線が開通する予定。「計画に遅れることがないよう着実に事業を進めていく。また、大分市の庄の原佐野線大分川架橋も今年度上部工の発注を目指す」。合わせて社会資本の老朽化・防災対策も進める。「トンネルや法面などの点検を進めているところで、結果が出次第、対策を検討し重要度の高いところから補修を実施していく」方針だ。
資材高騰や人手不足などの問題もあり、業界の経営環境はまだまだ厳しい。「今後も適正価格での応札がしやすい制度の構築に努めていく。建設業者も健全な経営を目指し、地域との信頼関係を築いて欲しい。そうすれば会社の安定感は増していくと思う」。若手の人材確保については「若者にとって魅力的な職場環境づくりが必要。災害が発生したとき、一番頑張っているのは地域の建設業者。そのことを広く知ってもらうために、業界ももっとPRをして欲しい」と話す。県としても若手の資格取得の支援制度を検討しており、業界と協力して若者が集まる魅力ある業界づくりに取り組んでいく。
趣味は読書とゴルフ、囲碁をたしなむ。歴史物の小説などを好んで読んでいるという。昭和31年生まれの58歳。
九州大学工学部卒。昭和55年、県に入庁し初任地は佐伯土木事務所。平成22年河川課長、24年中津土木事務所長、25年参事監兼建設政策課長を経て、今年4月、現職。