大分建設新聞

インタビュー

久田 成昭さん(大分河川国道事務所長)

2015年06月12日
 平成8年に旧運輸省(現国土交通省)に入省し、港湾畑を多く歩いてきた。21年から、在エジプト大使館で一等書記官を務め、2人の大使に仕えた。大使の「トップとしてのあるべき姿」を見て、すごく勉強になったと言い、民主化革命「アラブの春」も経験した。事務所の勤務は、大分が初めて。
 就任の抱負を尋ねると、「管轄の大分川、大野川は、九州でも、特に流域に資産、人口が集中している。今、地方創生がいわれており、競争力のある地盤づくりをすることが私の使命。大分を守るため、台風などの水害、南海トラフ巨大地震などへの対策を進める。そうすることで、県民の安全・安心を確保できるとともに、県外からの企業立地なども進むはず。道路では、中九州道、中津日田道路の延伸に全力を注ぐ」と語る。
 国土交通省が積極的に推進する、若手技術者、女性の登用については、「何事も継続していくことが重要。制度がようやく追い付いてきた。もっと活躍してもらえるような舞台をつくりたい」と話し、担い手の確保、技術継承などのため、若手技術者や女性の活用などに、力を入れる考えだ。
 建設業界に対しては、災害協定の締結などに感謝する。「インフラや建築物は整備したら終わりではない。カンフル剤の公共事業ではだめ。完成したものに、さらに付加価値を見出すことが必要。これからも人口減少が進む中で、建設予算は厳しくなるだろうが、大分の立場で、ストック効果の高いインフラの必要性をしっかりと訴えていく。これまでに集積された高品質のインフラの老朽化対策に万全を期してこれを活用し、さらに必要なものは何かの視点で、30~40年後を見据えた施策を一緒に提案していきたい。官民一体、全員協力体制で力を発揮しよう」と、協力を呼びかける。
 これから、時間ができれば、趣味の城巡りをはじめ、県内の名所に出かけ、温泉も楽しみたいそうだ。歩き回るのが大好きということなので、これから現場で、お目にかかることがあるかもしれない。


略歴 平成8年、東京工業大学大学院を卒業し、旧運輸省入省。港湾局計画課専門官、在エジプト大使館一等書記官、港湾局産業港湾課長補佐、同局技術企画課技術企画調整官を経て、
今年4月、現職。愛知県出身。43歳。
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