大分建設新聞

インタビュー

和田 敏哉さん(別府土木事務所長)

2018年06月08日
 土木事務所勤務は8ヵ所目になる。県内12の土木事務所のうち勤務したことがないのは臼杵、佐伯、日田、国東を残すだけ。
県庁と各事務所では、主に道路事業を手掛けてきた。
「初めての別府勤務で、仕事も生活も新たになり、新鮮な気持ちで何事にも取り組んでいる」と笑顔で話す。
 道路事業で一つは現在進行中の大田杵築線バイパスの本年度末完成がある。
来年のラグビーワールドカップ(W杯)開催に向けた大分空港道路の4車線区間延伸も重点課題で取り組む。さらに別府市内の幹線街路網の整備にも力を入れる。
 「今年度中には、山田関の江線の別府駅西口が4車線化できる見込み。同じく進行中の、富士見通南立石線街路改良工事も進展を図りたい」と意欲的だ。
 いずれも新規事業の、国道500号の鉄輪温泉歩道拡幅事業と、南立石亀川線の交差点改良・歩道整備の2事業については「地元の方々へ丁寧な説明を重ねながら進めていきたい。何事も、地元の声を優先し、意見を反映させた事業につながるよう、精一杯努力したい」と話した。
交通状況の円滑化と歩行者空間確保のため着実に整備を進めていきたいという。
 防災減災対策では八坂川の改修や境川の砂防ダム設置を、港湾の環境整備では別府港北浜地区の緑地や遊歩道整備を、それぞれ重点事業として取り組んでいる。
こちらも地域の実情を踏まえながら進める考えで、その上で「今後の新しい事業も職員と一緒に考えていきたい」と語った。
 「県では技術職員の超過勤務縮減とともに、発注の平準化推進や業界の週休二日制の促進などに本腰を入れている。建設業界は、担い手不足などの課題も大きく、すぐには難しいことも多々あると思うが、少しずつでも働きやすい職場環境となるよう互いに改善に努めてほしい」。
県の事業遂行で関係業界に理解と協力を求める。
 「きれいな道づくり」に関しての思い入れは強い。一番の思い出は1997年にさかのぼる。豪雨災害が度重なり、県内各地で道路が寸断された。
「土木事業は計画から完成まで多くの職員が担当する。途中で担当が変わってもモノが出来上がれば、関わった人はみんな内心満足しているはず」。だが、この時は違った。
災害後の安心院地区の被災道路の測量やルート検討から始め、「県道の改良復旧工事を開通まで一人で担当できたことは貴重な経験だった」と懐かしむ。
 趣味は山歩きなど。単身赴任も苦にならず温泉本を片手に、温泉巡りをするのが楽しみという日田市出身の58歳。


熊本大学工学部を卒業して、1983年に旧三重土木事務所入り。
その後、県庁都市計画課、道路課、各土木事務所、道路保全課長等を経て、4月から現職。
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