大分建設新聞

インタビュー

福山 公博さん(日本政策投資銀行大分事務所長)

2018年12月06日
 大分県が宇宙開発・利用の実現のため、ANAホールディングス㈱、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力して、アバター(遠隔操作技術)による新テクノロジー「AVATAR Xプログラム」に参画し動き始めている。
JAXAの新たな研究事業を共創する、研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ」の一環で、この事業のコンソーシアム(共同体)のANA、JAXAとともに、3人の役員の一人で監事を務める、日本政策投資銀行(政投銀、東京都)の福山公博大分事務所長に、事業にかける思いや将来展望などを聞いた。
 海外業務が長かった福山さんは、香港、ジャカルタ、マニラ、北京、台北といったアジア5都市で、約10年間駐在員としての仕事に取り組み、国際経験も豊か。
4ヵ国語を話し、国内外の投資業務を通して物理、化学、天文・地学、数学、素材といったテクノロジーにも明るい。
 4月に大分事務所長として着任し、県商工労働部から同事業の話を聞いた。
宇宙への関心も高かった福山さんは「私でお役に立てるのであれば」と、監事を引き受けたという。
「県が、いち早くアバター事業の誘致に動いたことには、先見の明があると思った。宇宙産業は、直ぐに何かの事業につながるものではないが、建設関連分野などへの波及効果が期待できる」と、次の県産業発展につながるビジネスチャンスだという。
 県内には、世界初の実証実験フィールドが設置される計画で、実験施設について、次のように話す。
「例えば、宇宙技術と言えばハイテクと思われがちだが、逆に宇宙では宇宙線の影響を受け、ハイテク機器は故障しやすい。そのため、あえてローテクを採用することで、丈夫で長持ちさせる工夫が重要となる」と。
さらに「強度があり軽い素材など、新たな分野の技術開発のため、建設業の高度化も必要。コンソーシアムの中に、個別のワーキンググループを設置し、建設地の造成や設計、施工、実験施設の内装、機器、素材などといった、各グループに分かれ取り組んでいくことになるだろう」と話す。
 「もっと県内の建設業者さんに参加していただきたい。自分も、大分県の産業発展のため、しっかり働きたい」と、アバター事業にかける思いを語った。
 同事業への問い合わせは、県情報政策課(℡097〈506〉2062)、政投銀大分事務所(℡097〈535〉1411)まで。
【プロフィール】慶應義塾大学経済学部卒、香港大学大学院経営管理学修士。
国際協力銀行ジャカルタ駐在員を経て、2007年に政府系総合政策金融機関・政投銀入り。
前任の企業投資部次長職を経て、4月から現職。熊本県出身、48歳。



県内の建設業者にもっと参加してもらいたいと語る福山さん
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP