大分建設新聞

インタビュー

河野正雄さん・利光祐さん(㈱熊野建設)

2019年06月27日
 ㈱熊野建設建築部に勤務する、河野正雄さん(46)と利光祐さん(41)が、1級建築士設計製図試験に見事合格した。二人は、大分工業高校建築学科の先輩、後輩で、入社以来、数多くの建築施工に携わってきた。40代で1級建築士を目指したきっかけや今後の抱負などを聞いた。
 二人が1級建築士の資格を取ろうと思ったきっかけは、今まで第一線で頑張ってきた有資格者らが、徐々に現役から退き始め、次世代を担う若者がなかなか入ってこない現状に直面し「40代の自分たちが頑張らなくては」と、切実に思い始めたからだという。
 河野さんは2007年に入社。22歳で2級建築士の資格を取得、28歳から29歳にかけて1級建築士合格を目指したものの、当時は姉歯事件(構造計算書偽造問題)の余波で合格率が極端に低かった頃。合格に至らず、それ以後の受験をあきらめた。
 40歳になり、1級建築士の資格が無いことを指摘され「絶対、取ってみせる」と、41歳で奮起し、日建学院大分校に通い始めた。合格するまでに5年かかったが、「今年こそは」と集中して取り組んだことが勝因だそうだ。
 一方、利光さんは入社7年目に独学で2級建築士の資格を取り、その後、1級建築施工管理技士の資格も取得。「いずれは1級建築士の資格を取得しなければ」と思っていたという利光さんは、自分のステップアップを目的に、総合資格学院大分校へ入校。1級建築士の試験は2回目で合格。同じ目標を持つたくさんの若者と肩を並べたことが刺激となり、「追いつけ、追い越せ」という気持ちで、毎日コツコツと頑張ったそうだ。
 40代になってからの受験は、金銭面なども含め簡単ではない。今後、二人は「若い後輩たちが受験しやすい環境づくりに力を入れたい」と語る。さらに次の目標として「1級土木施工管理技士」の資格取得に、チャレンジすることを決めた。
 河野さんは、必死に勉強する父親の背中をみてきた息子たちに「お父さんは、1級建築士も1級土木施工管理技士の資格も持っている」と自慢できるよう、今年の試験に挑戦し、「将来は建設部門の技術士を目指したい」と、目を輝かせた。
 企業の屋台骨を支える、中堅技術者の頑張りにエールを送りたい。



河野さん(左)、利光さん(右)
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