大分建設新聞

インタビュー

森髙 美代子さん(中部振興局長)

2019年10月25日
 県職員に採用されて以降、これまで中部振興局をメインに勤務してきた。
「理解しているつもりが、時代の変化に合わせて勉強することも多くて」と話す森髙美代子局長。
4月の人事で中部振興局長に就任したが、局員100人以上を束ねる責任の重さは計り知れない。
 これまで同様、就任後も上杉鷹山の「為せば成る」をモットーに仕事に励む毎日だ。
管内は2006(平成18)年、旧大分地方振興局と旧臼津関地方振興局が統合されて、大分市、由布市、臼杵市、津久見市の4市を管轄する。
特に大分市は、大葉(オオバ)、みつば、ニラなど、ほかの地方にない施設園芸による栽培が盛んだ。
また、臼杵、津久見市では海岸部の山斜面を生かしたミカンなどかんきつ類、由布市では梨の栽培が発展してきた。
 「今後の農業発展を考えた時、地域ごとの課題が多く見えてくる。もうかる農業の発展が第一だ」と話す。
 高齢化と担い手不足は最大の課題だ。
「もうかる農業にするには、後継者や新規就農者の育成はもちろん、一定のまとまった農地の集約と効率のよい経営が必要となる。大分市内では、施設園芸を拡大するための土地を探す問題がある」と指摘する。
 由布市庄内町の北大津留地区では、水田(1~4工区)約40㌶の農地の集積(基盤整備)を実施中で、水田1枚の面積をより広くしている。
既に完了した1工区の整備を見て水田の集約に関わりたい人も増えているという。現在、2工区で実施中だ。
 一方で、防災・減災対策にも力を入れている。
熊本地震で被災した由布市では、一部を除いてほぼ復旧が終わり、津久見市を襲った水害の復旧も今年度中には完了する見通しだ。
 また、管内の防災重点ため池は240ヵ所を指定。
大分市松岡の大久保ため池は、2017年度から約4億円かけて取水施設の改修など今年度末の完成に向けた工事も行われるなど計画的な改修にも取り組んでいる。
 森髙局長は「施工業者には、普段の工事に加えて災害後の初動体制の確保や機動力を発揮しながら対応していただいている」と感謝を述べた上で、「力強い農業振興発展のためにも、工事の入札に積極的な参加をお願いしたい」と呼び掛けた。
 趣味はウオーキングやスポーツ観戦。歴史小説など読書にも夢中だという。
 大分市出身、夫と息子の3人世帯、大分市内で暮らす。



1978年県職員に。2000年臼津関地方振興局企画商工課、
15年中部振興局地域振興部長、18年県総務部審議官を歴任、4月現在に至る。
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