大分建設新聞

インタビュー

芳﨑 一郎さん(㈲ホウザキ社長)

2020年03月31日
 2月に、大分商工会議所の優れた企業や経営者を顕彰する「第18回おおいたビジネスオブザ・イヤー」を受賞した㈲ホウザキ(大分市)の芳﨑一郎社長。
好調な売り上げ、人材育成に熱心に取り組んでいることなどが評価された。芳﨑社長が取り組む人材育成などについて話を聞いた。
 同社のここ数年の高卒社員の離職率は0%。
県内の高卒者で、建設業に就職した若者の約半分が3年以内に辞めていく中、同社の高卒社員たちは、離職することなく、会社を支える人材として活躍している。
 若者が同社を辞めない理由としては、芳﨑社長が若い社員の目線に立ち、仕事も含め、親子、家族のような関係を築いていることにある。
また、先輩たちも、自身の新人の頃を思い出し、仕事の指導からプライベートでの関りまで、率先して取り組んでいる。
また、鉄筋工事のやりがい、社会での重要性を社員一人一人が意識し、世の中のために働いているという想いを持っていることも重要である。
 「みんなでフォローすることが大切。就職するまで立派に育てた親御さんや先生から、わが社がバトンを受け取り、仕事はもちろん生活面なども含め、一から教えている。高卒者はすぐ辞めるという考えが一般的だが、社員一人一人のよいところを一つでも多く見つけ、それを引き出し、成長させ、仕事や人生で挫折をさせない環境をつくっている」と熱く語る。
 同社では、ベトナムからの外国人実習生13人が働いており、実習生も日本人同様、祖国ベトナムの親から大事な子どもを預かっているとの想いで接している。
だから、実習生が帰国してからも、手紙やメールでの交流が続いているという。
 鉄筋工事では、昭和電工ドームをはじめ、うみたまご、宗麟大橋など、多くの県内の著名な建築物、構造物を手掛けた。
社員たちは、自分たちの仕事が大分の発展に寄与していることを誇りに思っており、その誇りも仕事を長く続けていく理由になっている。
 芳﨑社長に本社の敷地を案内してもらった。本社横にはきれいな独身寮、向かい側には家族用の社宅があった。
また、驚かされたのは地下約1000㍍から湧き出る天然温泉があること。仕事終わりに入浴できるという。
「全ては社員のため。社員と真剣に付き合い、真剣に会社を経営することが、結果として社員を大事にすることにつながる。若年者が入職するための環境整備も大事だが、われわれの根本的な考え方を変えなければならない。これからも、わが社は中身で勝負をしていく」と話した。





会社敷地内にある温泉
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