大分建設新聞

インタビュー

江藤小春さん(竹田南高校)

2020年09月16日
 竹田市にある学校法人稲葉学園竹田南高校(平野孝光理事長、小野二生校長)は普通科の高校だが、生徒が自立して社会に貢献できるように、資格取得を目指す実践クラスを設けている。配管技能士の2級にチャレンジする江藤小春さん(3年)もその一人。女子生徒ながら果敢に取り組む彼女に話を聞いた。
配管技能士の資格は1年生の時に3級に合格しており、3年生になった今、指導する田北宏規教諭に背中を押されて2級にチャレンジする。「2級は難しいので、いち早く取り組みたかったのですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で思うように学校に来ることができず、8月になってやっと受験対策を始めることができました」と不安を覗かせながらも、「いま苦労しているのは、管を切る、ネジ山を切るなど、作業に力が要ることです」と、女子の非力さをまず挙げた。そして「3級と違って、太さが違う管をつなぐこと、塩ビ管と銅管をつないで、銅管にハンダを使う時に塩ビ管を暖め過ぎないようにすること」など、「困難なポイントは十分理解しているけれど難しい」と語る。
今回は、実習助手の永井誠人さんも同じく2級の受験を目指しており、江藤さんのチャレンジに合わせて一緒に汗を流しながら伴走する。思うようにスタートを切れなかった江藤さんにとってとても心強い相棒だ。
江藤さんは、配管技能士3級のほかになんとフォークリフト(1㌧未満)、ガス溶接技能者、フラワー装飾技能士3級、危険物丙種などの資格も取得している。「経済的な基盤をきちんとしなければ」と言うしっかり者の彼女は、多岐にわたる将来の夢を思い描きながら、切断した管にネジ山を一つ一つ刻んでいた。
竹田南高校は、小規模校を生かしてそれぞれの目標を明確化し、生徒の能力・個性に応じた取り組みを行うことにより潜在能力を発掘、実社会でたくましく働く力を育成している。江藤さんが配管技能士にチャレンジする傍らには、溶接や木工技術の習得に取り組む仲間の生徒たちがいた。
 

フォークリフトやガス溶接技能者などの資格を持つ江藤さん
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