仲摩 和雄さん(東九州設計工務㈱代表取締役)
2020年11月17日
この秋の褒章で、黄綬褒章を受章した東九州設計工務㈱の仲摩和雄代表取締役。受章の感想とともに経営者としての信念、抱負などについて話を聞いた。
仲摩さんは、1981年4月に大学を卒業して㈱伊藤喜三郎建築研究所(東京都)に入社した時から、設計者としての人生を歩み始めた。
しかし、設計は幼いころから身近にあり「設計事務所の中で遊んで育った」と言う。父親である先代が起業した設計事務所が職場であり、家庭であったことを懐かしく振り返りながら、思わぬ受章をはにかみながら謙虚に喜んだ。
先代は、㈱臼杵鉄工所の建設課の技術者だったが、日本の高度成長期、とりわけ大分の新産業都市指定に伴う時代の上昇気流の中で、親しい者たちの起業に誘われ、故郷鶴崎で62年に創業した。「創業後、組織変更の時に、地域の設計事務所を目指して『東九州』を社名に付けた」と話す。「先代のスピリットを受け継いで『地域の力で地域を建てる』を社是にしており、これはこの先も継承していかなければならない」と、会社の方向性が揺るぎないことを改めて明確に強調した。
顧客からの信頼を第一に考え、顧客の期待に応えるために総力戦で取り組んできたことが結果的に「地域が育ててくれる会社に成長した。本当にありがたいことだ」と地域に対して深い感謝の気持ちを示す。
「これを機に、地域に育てられたことを意識して、『東九州』の名に恥じぬよう、さらなる地域の発展に寄与していきたい」と力強く抱負を語った。
一方、多くの公職を務める中で「大分県建築士事務所協会と大分商工会議所については、その役割を重く受けとめ、尽力したい」と話す。
建築士事務所協会としては、「BIMシステムの導入拡大やアフターコロナ時代の建築について、すでに始まっている議論のリーダーシップをとって実践していかなければならないと思っている」と将来を見据え、商工会議所としては、「6000社の約20%を占める建設関連産業を束ねて、パワーを結集して存在感を顕在化することに全力を尽くすつもり」と頼もしい言葉を重ねた。
また、「母校早稲田大学の校友会支部・稲門会のお世話もしているので、(今回の受章は)こちらにも重みと弾みが付く」と、その重責に気を引き締める。
地域に根差してきた会社ではあるが、仲摩さんの視点はグローバルであり、時代の流れを確実におさえているものの、「社員は家族」と身近にいる社員の大切さを決して忘れていない。「今回の栄誉は社員全員のおかげ」と感謝の気持ちを素直に表した。
さらに「社員全員から祝福を受けた時には、初めて感無量という言葉を皮膚で感じた。受章の喜びを先に進むエネルギーに換えて、新たな一歩を踏み出さなければならない」と責任感あふれる力強い言葉で話を結んだ。
休みの日は、趣味のクラシック音楽を鑑賞することで、多忙な日々とスイッチを入れ替える。大分市に家族と暮らす63歳。
仲摩さんは、1981年4月に大学を卒業して㈱伊藤喜三郎建築研究所(東京都)に入社した時から、設計者としての人生を歩み始めた。
しかし、設計は幼いころから身近にあり「設計事務所の中で遊んで育った」と言う。父親である先代が起業した設計事務所が職場であり、家庭であったことを懐かしく振り返りながら、思わぬ受章をはにかみながら謙虚に喜んだ。
先代は、㈱臼杵鉄工所の建設課の技術者だったが、日本の高度成長期、とりわけ大分の新産業都市指定に伴う時代の上昇気流の中で、親しい者たちの起業に誘われ、故郷鶴崎で62年に創業した。「創業後、組織変更の時に、地域の設計事務所を目指して『東九州』を社名に付けた」と話す。「先代のスピリットを受け継いで『地域の力で地域を建てる』を社是にしており、これはこの先も継承していかなければならない」と、会社の方向性が揺るぎないことを改めて明確に強調した。
顧客からの信頼を第一に考え、顧客の期待に応えるために総力戦で取り組んできたことが結果的に「地域が育ててくれる会社に成長した。本当にありがたいことだ」と地域に対して深い感謝の気持ちを示す。
「これを機に、地域に育てられたことを意識して、『東九州』の名に恥じぬよう、さらなる地域の発展に寄与していきたい」と力強く抱負を語った。
一方、多くの公職を務める中で「大分県建築士事務所協会と大分商工会議所については、その役割を重く受けとめ、尽力したい」と話す。
建築士事務所協会としては、「BIMシステムの導入拡大やアフターコロナ時代の建築について、すでに始まっている議論のリーダーシップをとって実践していかなければならないと思っている」と将来を見据え、商工会議所としては、「6000社の約20%を占める建設関連産業を束ねて、パワーを結集して存在感を顕在化することに全力を尽くすつもり」と頼もしい言葉を重ねた。
また、「母校早稲田大学の校友会支部・稲門会のお世話もしているので、(今回の受章は)こちらにも重みと弾みが付く」と、その重責に気を引き締める。
地域に根差してきた会社ではあるが、仲摩さんの視点はグローバルであり、時代の流れを確実におさえているものの、「社員は家族」と身近にいる社員の大切さを決して忘れていない。「今回の栄誉は社員全員のおかげ」と感謝の気持ちを素直に表した。
さらに「社員全員から祝福を受けた時には、初めて感無量という言葉を皮膚で感じた。受章の喜びを先に進むエネルギーに換えて、新たな一歩を踏み出さなければならない」と責任感あふれる力強い言葉で話を結んだ。
休みの日は、趣味のクラシック音楽を鑑賞することで、多忙な日々とスイッチを入れ替える。大分市に家族と暮らす63歳。