大分建設新聞

インタビュー

赤嶺 栄俊さん(㈱和髙組専務取締役)

2020年12月24日
 解体工事と足場工事を2本柱に、現在は広く外構・草刈り・舗装・塗装工事なども手掛ける㈱和髙組(大分市、髙橋貴洋代表取締役社長)の赤嶺栄俊専務取締役に話を聞いた。
 赤嶺さんは「約10年前、会社の設立当時から髙橋社長と一緒に、他社の応援人員をメインとして汗を流したメンバーの一人」と、会社の立上げに裸一貫で携わった。前職は、造船所の中の足場や外現場の足場工事を担当していて、常に髙橋社長の傍に身を置きながら現場を支え、起業の右腕になってきた。
 「もともと足場の経験が長く、和髙組では解体工事の管理のため工事現場に出向き、そこで学んだ技術を身に着け、現在は解体工事全般の管理を担当している。当社の理念である『お客さまの笑顔につながる他者貢献』のためなら、どんな工事でも喜んで引き受けます」と、現場好きの一面を強調する。
 しかし「これからの将来、人口が減少していく社会、建造物の老朽化、若年層の職人不足という事態が必ずやってくる未来に備えて、建設業や会社の将来を考えると、公共工事への参入率を増やしていく必要がある。競争の厳しい業界の中で会社をバックアップしなければ」と、会社の方向性を見据えて語った。
 その上で、自らの身の置きどころについて「現場管理だけでなく、会社全体の管理能力を今以上に磨かなければならない。具体的にはパソコン操作や最新のITを導入した新規分野の管理能力の向上、さらに最低限必要な建築・土木施工管理技士、解体工事・建設機械施工技士などの資格取得に率先して取り組まなければならない」と、これからの課題に意欲を燃やす。
 一方、現在、解体現場を5ヵ所以上担当する赤嶺さんは「仕事の流れが、自分の思う工程と、職長の思う工程や工法と違う思考の差に悩みを持っている」と、目の前の課題を語った。「協力会社を含めてベテランには気を遣い、次世代を託す若いリーダーとのコミュニケーションも取らなければならない。これは難しい」と、以前とは違い、終業後や休日になかなか時間を共有できない時代の難しさを認識する。
 コミュニケーションを取るために仕事の時間の中で各現場の職長を通して、最新のSNSやチャットツールのチャレンジに取り組み、情報共有には力を入れている。「特に安全衛生の管理には、朝礼で、当日の仕事の流れの違いを必ず説明して、気を引き締めて取り組んでいる。それが会社の生命線を守ることだ」と、断言する。
 赤嶺さんが描くこれからの夢は「廃棄物の中間処理施設から地球環境のエコアクション活動につながる大規模な挑戦。難関を乗り越えて実現したい。解体工事に携わることで学んだ分別の難しさと、老朽化する建物や構造物が増えていくこの先の社会変化を考慮すると、他者貢献を軸に社会貢献につなげることがこの会社の使命である」と、心意気を示してインタビューを終えた。
 赤嶺さんは「自身の車両を休日に整備、清掃すること」が趣味と話したが、実は趣味にいそしむ時間もないほど家庭でも働き者だ。なぜなら、家に帰ると奥さんと5人の娘に囲まれているから。大きくなった2人は別に、5歳、3歳、1歳の娘には目に入れても痛くないほど手厚い世話をし、奥さんの仕事も率先して手伝う。臼杵市野津町出身の37歳。
 
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