大分建設新聞

インタビュー

上野 智之さん(㈱協同システム設計社長)

2021年01月21日
 技術と創造力により建築設備のあらゆるニーズに応えるトータルコーディネーター㈱協同システム設計(大分市)。2020年10月1日付けで代表取締役社長に就任した上野智之さんに、新リーダーとしての経営方針、信条などを聞いた。
 上野さんは「社員がみんな、気持ちよく仕事をできるように取り組んでいる。そのためには、コミュニケーション能力、人間力をもっと上げなければならない」と、社長として走り始めたスタート直後の今現在を語る。
 「前社長の坂元努さんから、長い目で見た目標を持って育てていただいた。また、県設備設計事務所協会の幹部の方々には積極的に情報共有を進めていただいていたので、社長交代もうまくいっており、ありがたいことだ」と、内外を取り巻く人的環境に感謝の気持ちを表した。
 上野さんは、最初に就職した設備設計の会社から現在の協同システム設計に転職する間に、施工会社で1年間働いた。その1年は「現場代理人として働いたが、まだ若く未熟で苦労した。しかし、施工会社の(設計会社に対する)思い入れや優位性、職人の気質を肌で感じることができ、貴重な財産になっている」と若い頃の日々を懐かしげに語る。
 協同システム設計に入社してみると、同じ設備設計の会社でも、以前在籍した会社のようにマニュアル通りに仕事を進めるわけにはいかず、最初は戸惑いがあったが「坂元さんから、お客さまとの距離感、一緒にものを造るという思いを教えていただき、仕事を好きになった」と、前社長のおかげでスムーズに乗り越えられた人生の転機を振り返った。
 その後も坂元さんからは、たくさんのことを学んだが「坂元さんが東京や大阪で積んだ経験を生かした仕事のシステム化(仕組み化)や標準化は、『設計事務所は職人気質だ』と考えていた自分には馴染まなかった」と当時の思いを明かす。
 しかし、仕事量が増えるにつれて「標準化の大切さが解るようになった」と坂元さんの狙いがはっきり見えてきた。
 「みんなが仕事をしやすくなるには何をすれば良いか考え、伝えることの仕組み化、ルール化をテーマに取り組んできたが、社長になってより一層その必要性を感じている」と、上野さんはさまざまなチャレンジを楽しそうに語る。
 その上で「同じベクトルに向かって、一人一人がスムーズに仕事を進めるためには、伝えるということがいかに大切かを噛み締めている。みんなが生き生きと楽しく仕事ができる会社にしたい」と、会社の目指す姿を示した。
 県外の建築設計事務所に所属する担当者にも教えられた。「お客さまとの接し方、業務の進め方などに余裕と気使いを持って取り組むスマートな姿勢に惹かれ、設計業務のすばらしさを教えられた」と言う。上野さん自身も「みんなに気配りをしながら、意識の高い社員を生かしていきたい」と、社長としての抱負を述べて話を結んだ。
 レッドホットチリペッパーが好きと言う上野さんは、休みの日はエレキギターでスイッチを切り替える。大分市出身の41歳。
 
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