大分建設新聞

インタビュー

岡田百代さん(㈱ネオマルス常務取締役)

2021年03月30日
 県が2020年度から実施しているドローンプラットフォーマー事業者「おおいたドローンコンソーシアム」でコーディネーター役を務める㈱ネオマルスの岡田百代常務取締役に話を聞いた。
 「大分にはドローン事業者は多いが、既成市場ではなかなか商業ベースに乗らず新しいものに取り組めない。それなら新しい市場を作ろうという発想から、ドローンプラットフォーマー事業を手がけることになった」と経緯を話す。「コンソーシアムでは、ニーズとシーズのマッチングを行うわけだが、バランスが大切だ」と、岡田さんは常にニュートラルな目線で全体を見渡している。
 アウトソーシング事業(業務請負)を行う会社で働いていた時に、偶然ネオマルスの甲斐社長と一緒に仕事をする機会があり、後に同社が新たな事業展開を図る際に転職して入社することになる。「その時は、電気通信工事業界に改革を起こし、新たな組織づくりをしたいという甲斐社長の思いに感銘を受け、一緒に全国を歩いた」と振り返る。
 電気通信工事業は、窓口業務をはじめとする事務業務が煩雑で工事業務に集中できない。そこで業務センターを立ち上げ、クライアントの事務業務を請け負う仕組みを作った。「データを一元化したうえで情報を共有し、工事書類の効率化、適切な工事指示を行うことで最高品質の施工を実現した。人と人とのネットワークはソリューションを変えることができる」と、今も新たなチャレンジに前向きに取り組んでいける自信の源を語る。
 しかし、岡田さんは先ばかりを見ているわけではなく「人には必ず良いところがあるように、それぞれの会社の得意な分野を何とか活かせないかと思っている」と言い、常に人と人の間、会社と会社の間を見つめてバランス感覚を働かせている。そして何よりも説得力があるのは「甲斐社長と一緒に全国を歩いて、顔と顔を合わせて熱意を伝えた」ということに始まった自ら動く実践力にほかならない。
 岡田さんは「ストレスは感じたことがない」と言う。確かに、明るく前向きでエネルギッシュに話をする姿から納得できるが、マッチングを業務とするネオマルスで、岡田さん自身が今の仕事にマッチングし、時代の流れにぴったりとシンクロしているからに違いない。
 次世代の育成については「若い頃の苦労は無駄にならない。多くの人と仕事をすることでいろいろな経験を積み、価値観や個性を磨いて欲しいと願いながらチャンスを与えている」と話す。今後は「ドローン県大分らしく、たとえば県民の半数がドローンを経験しているというような新たな可能性をさぐる。そして、自社の強み(仕組み)をサービス提供会社とつなげたい。また、DXにも取り組みたい」と抱負を述べて話を結んだ。
 特別な趣味はないが、とにかく動くことが好きで、誘われるとすぐに出かける。一方、ひとり旅も愛する。

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