大分建設新聞

インタビュー

山田 雅文さん(大分県福祉保健部長)

2021年05月18日
 まず、コロナに関しては変異株が出現して以来、明らかに感染スピードが増し、クラスターが相次いで発生、短期間に多くの人が感染している。屋外での作業であっても、マスクを外しての会話や食事、休憩時には十分感染するリスクがある。一度感染者が企業内で発生すると、濃厚接触者は14日間就業できないので、企業経営的に大きなダメージになる。「従業員の感染防止対策については、最大限の注意を払ってほしい。今一度、ガイドラインを点検して対策ができているかきちんとチェックしてほしい」と最前線の話から話し始めた。
 県は健康経営を推進するにあたり、優秀健康経営事業所として知事表彰を行う仕組みの中で「現在1930の登録事業所、643の認定事業所がある。建設業は275の登録、57の認定となっている。2016年度と20年度に優秀健康経営事業所として2社を表彰している」と建設業の実績を述べる。健康経営を推進するメリットは、欠勤率の低下、業務効率、生産性、企業イメージ、企業価値の向上につながること。会社を選ぶ判断基準として重視する若者も増えている。「結果的に優秀な人材の確保につながり、労災の発生防止などリスクマネジメントも期待できる。健康を重視しない企業は評価されないし、経営的にもマイナスになる」と健康経営の重要性を強調する。さらに、建設業は人手不足、高齢化が大きな課題。「スキルも経験もある従業員の健康を守ることは経営的にも非常にメリットがあり、社員の士気も上がるので、ぜひ、健康経営事業所への登録および認定に向けた実践を」と期待を込めた。
 さらに、女性が活躍できる職場環境への改善も企業経営の上で非常に重要。「仕事と子育てを両立できる環境や制度の整備が企業の社会的使命として求められている」と期待を重ねた。
 歩得(あるとっく)は、無理なく楽しみながら健康づくり運動に取り組み、生活習慣を改善してもらうことを目指す無料の健康アプリ。ポイントに応じた特典もある。「昨年は職場対抗戦で、ある建設会社の2チームが2回とも上位入賞している」と称賛し、「グループで取り組んで、職場の健康づくりの気運を高めてほしい」と願いを込める。さらにバーチャルウォーク機能など楽しい機能を開発中だとワクワク感を紹介した。
 「身近な道路の拡幅工事で街並みが一変し、明るくおしゃれな街に生まれ変わることを目の当たりにして非常に感動する。建設業界の仕事が、世の中に力を与えてくれていることに感銘を受けている」とエピソードを紹介して話しを結んだ。
 休みの日は、家庭菜園の収穫に感動し、メダカ飼育に心を休めている57歳。


略歴~京都大学法学部卒、総務部市町村振興課長、
知事室長、企画振興部審議監などを経て4月から現職。
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