大分建設新聞

インタビュー

吉用 光春さん(国東土木事務所長)

2021年06月09日
 国東土木事務所の勤務は今回で3回目。最初は1997年に主任として港湾と道路保全を担当し、2回目は2007年から河川砂防の総括と企画・道路の主幹を勤めた。「国東土木の技術職員が配属される全ての班を経験している。今回、所長として勤務できることに、国東地域との縁の深さを感じる」と着任の感想。
 これまでの国東土木での勤務を振り返り「一番印象に残っているのは、平成9年と10年の水害。当時は港湾や海岸事業を担当しながら、安岐町と武蔵町の災害復旧を担当し、多い時には約70ヵ所の現場を持ち、大変忙しかったが、やりがいもあった」と話す。
 また、武蔵川の改修事業では浸水被害を目の当たりにし「平成16年では、河川課に配属しており、床上浸水緊急対策事業の全体事業費の増額を求め、何度も諦めずに県庁に行き、増額の必要性を説明したことは、今でも良い思い出です」と当時を振り返る。
 注目している管内の事業では「国東安岐線の下原工区では、安岐町の中心部800㍍間で、老朽化した2ヵ所の橋梁の架け替えや歩道整備を行っており、多くの地元の方や工事関係者のご協力をいただき感謝しかない。今年度は、塩屋橋を含めて、約300㍍の供用開始を目指していきたい」と意欲を見せる。
 今後の運営方針や課題では「県内の12土木事務所の中で、この国東土木事務所は職員の数は少ないが、4月の異動で技術職員2人、事務職員2人の新採用職員が配属された。採用4年未満の職員が3分の1を占め、若返っている。業務を進めるためには、適時適切な報告と相談は必要不可欠。そのためには、コミュニケーションをとり、若い職員が自由に意見を言えるよう、日ごろから目配せ気配りを行い、明るい風通しの良い職場づくりに心掛けていきたい」と話す。
 若い職員に向けては「土木技術者としての心構えや土木未来行動指針、体験談などの座学や現場を交えて仕事の重要性ややりがいを伝えたい」と、指導に力を込めた。
 建設業界へのメッセージでは「慢性的に技術者や作業員など人手不足が問題となっている中、国東地域では不調不落が少なく大変感謝している。また、近年、国東地域では、大規模な自然災害は発生していないが、土木事務所は『地域の防災総合センター』としての機能を発揮して行かなければならない。そのためには『地域の守り手』でもある建設業の皆さんの協力は必要不可欠」と強調し、さらに「建設業の皆さんが、災害発生時の対応や健全な経営を行えるよう、年間を通じた工事の平準化や適切な工期の確保、事業執行のマネジメントなど徹底して改善していきたい」と今後の方針を示した。
 趣味は、家族で応援している歌手のコンサートや劇場の観覧など。昨年からコロナ禍で見に行けていないが、休日は家族とのバーベキューでストレスを発散し、黒津崎周辺でウオーキングをして健康管理にも気を付けている。58歳。
 

略歴~1981年中津工業高校を卒業後、県職員に。
別府土木事務所を初任地に、佐伯土木事務所、
大分土木事務所などを経て、4月から現職。
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