大分建設新聞

インタビュー

森 優子さん(県中部振興局長)

2021年06月15日
 管内は魅力ある場所が多いが、令和2年7月豪雨では由布市を中心に各地で災害が発生した。復旧、復興はまだ道半ばであり「まずは梅雨時期の対策をきっちり講じる」と目前の課題から話し始めた。
 農林基盤部では、防災・減災対策を含めた農業農村の基盤整備から治山・林道事業まで数多くの工事を抱えるが、繰り越しも多い。「立地が良くないなど受注が厳しい面があり、工程の見直しなどに取り組んでいるところ」と、難しい工事にも根気よく取り組む姿勢を示す。
 一方、自らの職場に対して「農林水産業に携わる方々の声を反映した設計や施工にやりがいを感じて農業土木を選択し、活躍している職員の姿を目の当たりにして、感謝している」と職員への思いを語った。
 昭和井路2期地区(百枝頭首工)の改修工事では、大野川漁協から、現場の声を聞いてくれたことに褒詞(ほめ言葉)をいただいたエピソードを話し「こういった声をきちんと伝えることによって職員のモチベーションも高めたいし、さらに、次につながる世代を作っていきたい」と将来への方向性を明らかにする。
 職員には「『FACT』で理解し、共感、納得して行動するように求めている」と話す。つまり、データや事実をきちんと押さえて仕事内容を理解し、納得、共感の上で行動しなければ成果は出ない。心が動かなければ原動力にならない。「それが、最終的には県民中心の県政へつながる」とビジョンを示した。
 「三方よし」や「全体最適」を意識して足元の仕事をきちんとつなげることで相乗効果を出せる。「自局だけでなく、きめ細かく丁寧な仕事を」とみんなに望む意識を付け加えた。
 一方、「交通ネットワークが整備された地域の振興もわれわれの仕事。意識してやっていく」と前置きし、例えば「果樹産地や観光名所を訪れた人を地域のコミュニティカフェに誘導するなど、地域を俯瞰してデザインすることで、地域経済の活性化や関係人口の創出につなぐことができれば」と夢を語る。
 インフラ整備など建設業界の仕事は大切。「単に施工するだけではなく地域貢献をすごく心掛けていることをつくづく感じる」と話す。山あいに入る工事でも「林道の整備などを率先して行っていただき、地域住民から感謝の声が寄せられている」と褒詞を紹介し、「思いを持って施工されている業界の皆さまには心から感謝する」と述べ、「現場の業者からは真摯に一日でも早く工事を完了させたいという思いが伝わり、身が引き締まる思い」と話を結んだ。
 田園風景と、そこで暮らす人々の営みに触れることが好きで、愛犬と共に車で訪れ、散歩することで心のスイッチを切り替える。日田市生まれ、57歳。


略歴~企画振興部広報広聴課長、<br />
生活環境部私学振興・青少年課長、<br />
労働委員会事務局長などを経て、<br />
4月から現職。
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