大分建設新聞

インタビュー

齋藤 未来さん (小田開発工業㈱工務部)

2021年06月18日
 5月末の東京・駒沢体育館で開かれた2021年明治杯全日本選抜レスリング選手権の女子76㌔級で、3位入賞を果たした齋藤未来さんは、佐伯市の小田開発工業㈱工務部に所属している。
 レスリングが盛んな千葉県野田市で、小学2年生から競技を始め、小中学生の間、中量級で全国レベルの選手にまで成長。高校は女子レスリングの名門・安部学院(東京都)に進学。同時に、さらなる全国レベルの上位を目指し04年アテネ五輪で銅メダルに輝いた浜口京子選手の72㌔級(重量級)へ階級を変えた。しかし、同級は五輪競技の種目にないため、1階級上の76㌔級を主戦場に日夜、猛練習を重ねている。
 入社の経緯は、国民体育大会など全国大会レベルの競技会で、県内のアスリートの競技力向上を目指し、県体育保健課が取り組んでいるトップアスリート就職支援の「アスナビ・チーム大分プロジェクト(アスナビPJ)」を通じ、日本文理大学から昨年入社した。PJが主催する面接会で小田剛史社長に会った。仕事の内容や業界の様子などを聞き「全く知らなかった土木の世界」に興味を持ち、すぐさま職場体験を申し込んだそうだ。
 3日間の職場体験では、仕事に取り組んでいる技術者や、17年にアスナビPJを通じ入社し、ハンマー投げ競技者の道と土木技師の両立を図っている山本匠子(工務部)さんの体験談を聞き「この道でチャレンジしてみよう」と入社を申し出た。
 入社後は、山本さんを含めた先輩の指導の下、ICT情報化施工の基礎データとなる図面をCADを使って描く作業の勉強中。競技面では、地元の文理大学付属高校で、午前6時からの早朝練習と夕方4時からの練習で、同校の現役高校生と一緒にマットで汗を流し、週に3日は、母校の日本文理大学で大学生を相手にスパーリングを重ねている。
 「仕事の上では、一日でも早く、指導してくださる山本さんのように、周りの先輩や同僚から、『それなら、彼女に任せておいて大丈夫』だと思われるようになりたい。競技面では、10月に開かれる全国大会で優勝して、小田開発工業のPRができればいいな。夢はパリ五輪出場!」と目標はしっかりしている。
 小田社長は「彼女の活躍は、会社に夢や元気を与えてくれている。夢がかなうよう、会社を挙げて応援していきたい」と話してくれた。

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