大分建設新聞

インタビュー

古川 卓さん(豊後大野土木事務所長)

2021年06月22日
 豊後大野事務所には、15年ぶり2回目の勤務となる。古川所長は「豊後大野は豊かでダイナミックな自然に恵まれており、子どもから大人までよくあいさつをしてくれる」と、管内の印象を語る。
 事務所の運営方針や課題、抱負について聞くと「良質なインフラ整備の持続、『地域の守り手』としての役割を果たすこと」と即答。続けて「強靱な県土づくりを含めた2020年度の大型補正予算により事業量が増大する中で、連携とチームワークによって業務にあたる」と仕事の主流を見据えながら「職員のみでなく、家族も含めた健康面にも気を配り、建設・保全課の各班に配置した女性技術者による、職場の明るいコミュニケーションづくりを心掛ける」と、古川所長の気配りは広い。
 管内の建設事業では、中九州横断道路や主要国道などの広域連携軸と、主要県道などの地域連携軸の機能強化を図る。特に三重新殿線バイパス事業、国道326号(小坂工区)の交通安全事業を主要事業に挙げた。また、強靱な県土づくりとしての河川事業、砂防事業も忘れてはいない。
 日田土木事務所次長として赴任中の17年7月、友人と三隈川で屋形船を楽しんだ4日後に九州北部豪雨災害が起き、「まさに天国から地獄という思いだった」と話し、小野地区での大規模土砂崩壊で県道が寸断し、小野川が堰き止められ、孤立集落も発生した大災害を振り返った。
 その時に出動した地元建設業者について「危険が伴う中、仮設道路を不眠不休の働きで数日間で復旧させ、孤立集落への道を開いた。本当に頭が下がる思い、感謝しかない」と思い出に残る事業として感謝を表す。
 また、建設業界の課題となっている担い手不足の解消については、「大建協大野支部と協働した『土木未来教室』の開催が担い手確保につながればうれしい。また、地元志向のデジタル系の学生を採用するなどの門戸を広げてはどうだろうか」と人材確保の提案も。
 「建設業は、地域の基盤を支える大切な産業。課題は多いが、先端技術などの新しいことにもチャレンジしてもらいたい」と、建設業界への期待とエールを語った。
 座右の銘は「世のため 人のため そして己のために」。趣味はステイホームの時間を利用したアコースティックギター。子ども2人はすでに独立。現在は奥さんと市内の官舎で暮らす。佐伯市出身の59歳。


略歴~1985年熊本大学工学部土木工学科卒、県大分土木事務所採用。
2019年県企業局総合管理センターダム管理部長、
20年土木建築部工事検査室長を経て、4月から現職。
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