大分建設新聞

インタビュー

吉田 直人さん(日出水利耕地事務所長)

2021年06月24日
 日出水利耕地事務所へは初めての赴任となる。同事務所が管轄する事業は、別杵速見地域(別府市・杵築市・日出町)の農業基盤整備事業に加えて、日出生台演習場や十文字原演習場の周辺障害防止対策事業など防衛関連事業の重責も担っている。
 「農業基盤整備事業から防衛関連事業まで広範囲の事業を管轄している。農業農村整備については、畑地化により高収益農業への転換やため池の整備が中心。また、防衛関連の演習場周辺の障害対策については、場内の裸地化による保水力の低下などの問題があり、用水対策や洪水対策にしっかりと取り組んでいかなければならない」と、吉田所長は広域にわたる事業のポイントを語った。
 特に、ため池整備については「昨年、防災重点ため池の工事推進に関する特別措置法が法制化。今年から10ヵ年計画で防災工事など推進計画が県で策定された。管内では34ヵ所が対象となっている。これを計画的にやっていきたい」と、管内392ヵ所、全体の18%を占めるため池を抱える事務所として、事業の重要性を強調した。
 県は、県土地改良事業団体連合会に「県ため池保全サポートセンター」を開設。県内のため池決壊による被害を防ぐため、管理者の相談に対応する仕組みづくりも進めている。
 建設業界との協力関係については「せっかくの発注が不調・不落にならないよう建設業協会などと情報共有を図りながら、発注時期などを調整したい。また、意見交換などを行いながら連携していくことが重要。建設業界の人手不足は深刻な問題であり、AIやIoT、ICTなども最大限活用して、働き方改革を進めていく必要がある」と、建設業界との連携を重視し、業界が抱える問題について理解を示した。
 その上で、業界へは「地域創生の中で重要な部分。地域の守り手として、災害復旧など速やかな対応をしていただいている。技術者の広域的な派遣や仕事の受注形態など、受注機会の平準化を発注者として考えていきたい」と、力強いエールを送ってくれた。
 趣味は、出身地である九重町の実家の樹木の手入れと特技のギターを奏でること。子どもは独立、奥さんと別府市で2人住まい。60歳。

略歴~1984年琉球大学農学部農業工学科卒、
大野川上流開発事業事務所採用、
2015年農村整備計画課農村環境保全班課長補佐(総括)、
17年東京事務所行政課参事、
19年西部振興局農林基盤部長などを経て4月から現職。
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